②入会

初対面ではすべてはわかりません

「人は第一印象がすべて」

とは言いますが。

確かにそうなんですが、私の経験から言って、決してそうとは限らないと断言します(きっぱり

 

基本、印象がよくない人はいないんです。自分の教室のチラシやホームページを見てくれた人なら。

今まで印象が悪い人なんて1人もいませんでした。

これまでお会いしたお母さんはみんないいお母さんでした。

そして、印象がすごくよくて、レスポンスがすごくいい人もいれば、でもなんか自分のレッスンにはまってなさそうだな、と思われる人もいます。


どっちがいいとかはこの時点では関係ありません。

 

教室を運営していく上でこうであってほしい生徒さんというのは

「ルールを守れる人かどうか」

これに尽きます。

この一点を念押しするための規約と言ってもいいです。だから「同意」は必ず頂かないといけません。

愛想はいいし、挨拶もちゃんとしてくれるけど、ルーズな人もいます。時間にも、お金にも。

逆に、あんまり反応ないお母さんだなって思ってたけど、連絡ノートにレッスンの感想やおうちでのお子さんの様子を書いてくれて、心から習わせたいんだなってあとからわかる人もいます。

 

こういうのは初対面では絶対にわかりません。

 

ましてや、子供に自宅でちゃんと欠かさず練習させることができるお母さんなのかどうかなんてまずわかりません。

そして、例えばそんなに協力的じゃなかったお母さんが子供がどんどん弾けるようになったり、学校などでピアノで注目を浴びたりするきっかけで、とても協力的になったりするお母さんもいます。

だからよくも悪くも初対面で判断しないようにしましょう。

 

入会を急がせない

いつかのメルマガでも書いたことなのですが、入会してもらいたいときは、入会を急がせない、というテクニックがあります。

「ぜひぜひどうぞ!さっそく来週から!」

でもいいです。もちろん。生徒さんもわくわくでテンションが上がっていますから。

でも急がせないことで、入会したい、という気持ちを煽ることもできます。

これは、私のさきほどのドタキャン事件の経験から生まれたテクニックです。っていうより、その時以来、「ほんとに入りたいって決まったら入ってくれたらいい」っていうスタンスに変わってしまって(笑)

「ご自宅で十分検討されてからお決めになってけっこうです」

とか、なんなら

「もし他の教室も見たいなと思うかもしれないのでそれから決めていただいてもいいですよ」

 

とまで言う時もあります(笑

 

これがビジネスのテクニック的には

「他の教室見てからでもいいなんて、よほど自分の指導に自信がある教室に違いない」

と、入会したい!思ってもらえる言動らしいんですね。

そして、こういう言い方は、かえってこちらの心に余裕を感じさせる効果があります。自分の教室は、生徒さんには不自由してない、という雰囲気を出すことができます。必死じゃないスタンス。

そして、どうぞ入ってくださいとこちらからお願いするのではなく、

 

「先生のところにぜひとも弟子入りさせてください」

 

という師弟関係を作る第一歩としても、相手に入会の意志を決めてもらうのはとても理想的な方法です。

 

すべての人にこういうスタンスをとるわけではありません。

もう100%入会するって伝わる時は、即決していただくときもあります。体験レッスンを受ける前にですね。

そう言う時でも体験レッスン時に、まだテキストを渡しませんし、翌週にテキストと一緒に入会申し込み書を書いてもらうくらいです。

 

もし、入会の手続きを延ばしたおかげで、結局入会してもらえなかったとしても、その生徒さんより、延ばしてでも入会したいって来てくれる生徒さんがいたらそちらの方がいいですよね?

 

看板や、チラシはたくさん入会してほしくて出すわけですが、教室まで来てくれても、本当に入会してくださる生徒さんは結局は「ご縁」です。そして、来てくれれば誰でもいいっていうものでもないんです。

どんなに理想的な生徒さんとマッチングしようといろいろ策を練っても(笑)、結局タイミングとご縁。

先生と生徒さんにとっていい関係を築いていける、そういうレッスンができる生徒さんとの出会いを、焦らずに待ちましょう。

 

お断りする場合

残念ながら、レッスンをお断りしたい…。そういう場合もあると思います。

 

これは、よっぽど無理難題、わがまま、自己中なことを要求する人なら、電話での態度がすごく感じが悪かった場合などは、体験レッスンする前にお断りした方がよさそうです。

こういう場合は、第一印象関係なく、「あ、無理」と、電話でお話した時点でわかるので、

「現在、レッスン枠がなくて募集を締め切らせていただいています。いつ空きが出るかわかりません」

というような、ありがちな理由でお断りするのが角が立たなくていいと思います。

 

で、無理難題を言われている時は、

「それはうちではできません」

「うちよりも、他の教室さんを当たったほうがいいと思います。お力になれずすみません」

と否定をしておきます。また問い合わせがないようにです。

 

看板を見て直接いらっしゃった方も同様に、

「今空きがない」と主張しましょう。

ただ、一度入会してもらってから辞めていただくのは難しいです。

 

「レッスン環境を乱す行為をされた場合は、レッスンをお断りすることがあります」

 

規約に書いておくことも予防になるし、それを盾にもできるので書いてあってもいい一文です。私は書いています。付き合いが長くなるほど、レッスンを乱す行為が助長してストレスがたまってく一方ですから💦

その他は、ルールの無視などは、退会していただく、というよりルールを守ってもらうように導くしかないと思います。

月謝の滞納だとか、時間に遅れるだとか、あまりにも目に余れば定期的に言う。

言われる回数が多ければ面倒になって自主的に退会していくでしょう。

強行策としては、レッスン曜日を減らすことにしたので辞めていただきたい人が絶対来れないだろうレッスン枠への移動のお願いをしてみる。

それは無理だとなれば、よそのお教室を探しますか?とご紹介する。楽器店などに相談してみましょう。

あとは、入会を受け入れる前提で、その前提はないわ、っていう人が入会したいと問い合わせしてきた場合。

 

「それはできません」

はっきり言うことです。

ここでまた私のエピソードを。このコンテンツは私の経験をふんだんに書いておりますが(笑)私の主観をお伝えするためではありません。

実際の例にはこんなこともある、ということを知って、読んだ方が「自分ならどんなふうに対応するか?」の答えを見つける事例を提供するためです。

ということで、実際の例を(笑)


ある時、

音符は読めなくて、でもCDを聞いてなんとか弾けるようになったけど、どうしても上手に弾けないところがある。先生に見ていただきたい


というお問い合わせがありました。Aさんとします。

意味がわからなかったので(汗)詳しく状況を聞きました。それによると、ピアノを習いたい動機というのが、

お友達が弾いていた曲がとても気に入って(ショパンのノクターン)私もそれを弾いてみたいと言ったら、そのお友達に

「あなたには無理よ」

と言われたのが悔しくて、Aさんは猛練習しました。他のピアノ教室に通っていたこともあった。レッスン歴は2年。でも音符は読めない。

 

え?

 

で、今回も音符を読めるようになることよりも、ノクターンが弾きたい。というご要望。

 

……………え?

 

私   「音符が読めないと、ノクターンは難しいと思います」

Aさん「でも、CDを聞いて覚えたんです、私!!」

(じゃあ、何のためにレッスンを受けようとする?💦)

私  「たぶんうまくできないところは、リズムが難しいとか音符の長さを知らないと読み取りにくいところもあるので、やっぱり音符を読めるようになった方が」

Aさん 「私、毎日毎日CDを聞いているんです!だから弾きたいんです」

 


話しても話しても話が噛み合ない。これも悩みました。

どのくらい弾けるか聞いてみないとわからないけど、CDで聞いて「らしく」弾けるようになったっていうことは、耳はいいのかもしれないな、というのは感じましたが。

さて、どうしたものか。

「うちの教室では、音符を読めるようになって、譜面を読んで弾けるように指導するスタイルのレッスンです」

と言いましたが、それでも体験レッスンを受けてみたいということでお約束しました。この日から一週間、気が重かったです。

同時に、音符が読めなくてもいいから弾けるようにしてあげるレッスンってこれから必要なのかな?なんて指導法を広げることの必要性まで考え始めて(笑)、めちゃめちゃ悩みました。

悩んだ末、その方が体験にいらしたら、

「音符が読めるようになろうと思って習っていただかないと、私は◯◯さんが望まれるようなご指導できないと思います。この鍵盤の次にこの鍵盤を弾くんですよ、というようなレッスンはできません」


と言ってお断りしよう、と決めて体験レッスンの前日。

「明日、予定が入ってしまって行けなくなりました。都合がついたときに連絡しますのでよろしくお願いします」

ええええ!!

と電話が。その後、今に至るまで何年も連絡はありません(笑)

お断りするケースには、いろいろありますが、

「できないものはできない」

という姿勢を示すこともとても大事だなと思った経験でした。

 

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