①入会(確認事項)

入会までに誘導するツボ

面談・体験レッスンで準備しておくもの

体験レッスンが、入会の入り口になります。準備しておくもの、これまでたくさんありましたね。

・体験レッスン教材

・教室案内(レッスンコース)またはレッスン規約

・カリキュラム表(生徒さん用)

・入会申込書

・緊急時のレッスンについてのお願い(自然災害、新型ウィルスなどの対応について)▶︎後述します


これを準備して、生徒さんをお迎えします。

第一印象というのは、言うまでもなくとても大事です。来てくれる方も緊張しています。その緊張を解きほぐして、まずはにこやかにお出迎えして安心感を持っていただきましょう。

体験レッスンから入会へ結びつけるために

レッスンの説明をするのが先か、体験レッスンが先か。

私は、まずは体験レッスンを先にします。お子さんがまずわくわくしていますし、言葉で説明(アピール)するよりも、まずレッスンを見ていただきましょう。

レッスンを受けた本人がレッスンで感じたことがすべてになります。

子供さんが楽しそうにレッスンを受けている様子や、レッスンのメニューに興味津々に取り組んでいる様子を見れば、気持ちはだいたい固まります。

 

「子供が喜んでいる」

「初回でここまでできたなんて!」

「お任せできそう」

「ぜひこの先生にお預けしたい」


こんな風に思っていただけたら、入会へぐっと気持ちを引き寄せることができます。


だから、体験レッスンのメニューはお月謝といただいているいつものレッスンと同じように考えなくてはいけないんです。

とはいえ、初対面なわけですから、子供さんのテンションをはかりつつたまに雑談を入れて気持ちをほぐしながら進めて行きます。


以前、

「marbleさんは、子供に好かれますか?」

という質問のメールをいただいたことがありました。なかなか核心をついた質問。たぶん、好かれていると思います。一応(笑

誤解されるかもしれませんが、私は実は子供が好きで好きでたまらない!というタイプでは決してないんです。ですが、子供さんと接する時は、子供好きの人以上にとことんつきあう性分な気がするんですね。

お母さんだったら、

「もう、そんなことどうだっていいでしょ、はやくしなさい」

っていうことってあるじゃないですか。そういうところもちゃんと拾ってあげるっていうか。いつも相手にされない部分を、先生にちゃんと聞いてもらえると子供さんはうれしいんですね。

お子さんをお持ちの先生もいらっしゃると思うので、普段そんなこと…と思っていることはけっこう子供にとってはこだわりの大事なことなんだと、流さないでつきあってあげてください。

どうやって子供さんと仲良くなるかわからない、という人もいます。こちらも緊張していますからね、確かにいくらお子さんでも初対面で気持ちを通わせるのは大変かもしれません。

私は、事前にお母さんから名前を聞いてあるので、あ。そうだ(笑)ここすごい大事です!!お子さんのお名前をあらかじめ聞いておいて、そして本人に初めて会ったときに、

 

「◯◯ちゃん(くん)?こんにちは!先生、今日会えるの楽しみにしていたよ!」


私は開業当初からずーっとこれをやってきました。入会につながる体験レッスンでも書きましたが、この一言が入会の決め手になることもあります。

事前準備でお子さんの名前、それからざっくりとどんなタイプのお子さんかを聞いておくといいでしょう^^

お子さんによっては、お母さんと一緒だとちょっと照れてモジモジする子も多いですがおかまいなしにどんどん話しかけます(笑)こちらから興味を持っているという姿勢で接します。

 

例えば、その日来ていた服でも、持ってきたえんぴつでもなんでもいいから話題に出します。

「そのリボンかわいいね。◯◯ちゃんが選んだの?」

 

「幼稚園では何組さんなの?」

 

「おうちでピアノ毎日弾くんだってね。ママから聞いたよ」

 

「これ、◯◯(キャラクターもの)だよね?先生も好きなんだー」

とか、なんでもいいんです。先生はあなたのこと見てるよ、と一生懸命かまってあげます。

反応が薄くてもいいんです。お子さんはちゃんと聞いていますし、こちらがオープンな気持ちでいるのが伝われば。

で、立って動作をするときなどは、説明する時には子供さんの目線の高さまで、こちらが腰を落とします。

上からは絶対見下ろしません。心理的に威圧感を感じるんだそうです。

 

こんな風にコミュニケーションをとりながら、予定していたメニューで体験レッスンをすすめていきます。こういう子供さんへの接し方を見ているお母さんは気に入ってくださいます。

見てないお母さんは全然見てないですけど(笑)←これほんと。

 

体験レッスンが終わったら、お母さんにレッスンの説明をします。この時点で、さっそくレッスンをお願いしたい!という場合はその場でお返事を頂くことが多いです。

その時に、レッスン規約と入会申込書をお渡しします。そこで、最初だからお母さんに確認していただきたいことがあります。

確認しておきたいこと

レッスンの説明をするわけですが、その時に聞いてほしいことがあります。

確認事項1

「どうして習わせたいと思ったんですか?」


という質問をしてください。動機ってさまざまです。お母さんがさせたいのか、本人が興味を示し始めたからなのかだけでもこれからのレッスンに参考になります。

お子さんに楽器をさせたい、という親としての思いを言葉にしてもらうことで、ご家庭においてもレッスンと密接に関わっていくんだと実感していただきたいからです。

こちらもその思いに精一杯お応えできるようにお約束します、と意思確認をしましょう。

何年も経つと、「この子はなんでピアノ習ってるの?」という素朴な疑問が湧いてしまう状況になるときがあります。


でも、最初に親御さんの思いを聞いておくと、どう導いていけばいいのかわかります。



確認事項2

「楽器を準備していただくのが入会の条件であることの意思確認」

あ、うちは楽器を持っていなくても入会許可しますという教室なら確認する必要はないです。


指導する立場として、楽器がないと困るけど、ないならないでしょうがない、という曖昧な態度をしていると間違いなくあとあと自分の首を絞めます。

やっぱりそこをどうするか確認しておかないと、レッスンがうまく進まないという障害になります。

私は、絶対条件としています。ある時、入会時には買いますと言っていたのに、結局こちらから何度言ってものらりくらりといつまでも買ってくれなかった生徒さんがいました。

結局辞めてしまいました。椅子もないようなキーボードではやっぱり練習できなくて。

楽器必須と言ってても、準備しない生徒さんも入会することになることもあるので、楽器の準備については必ず確認するべきことだと思います。

これから購入予定の生徒さんなら、あなたがお世話になっている楽器店を紹介するようにしましょう。

ピアノが欲しい生徒さんを紹介しておくと、今度は楽器店の方から生徒さんを紹介してくれる機会を作ることにもなるからです。

調律師さんも、自分の調律師さんを紹介します。すると、調律師さんもあとから生徒さんを紹介してくれます。

自分のコネクションの中でお客さんを紹介しましょう。

↑超大事!

 

確認事項3

「自宅での練習は必ずしてもらう」

これを習う本人にも、お母さんにもお約束してもらいます。

楽器を習得するというのは、スイミングやお習字と違って、その時だけ学ぶんでくることではなくて、ピアノレッスンというのは、

 自宅での練習 ▶︎  レッスン ▶︎ 自宅での練習 ▶︎  レッスン


の繰り返しで上達するものだということをお話します。レッスンだけで上達することはない、ということを理解してもらってその上で、練習する習慣をつけてもらうことに協力してもらいます。

 

確認事項4

「楽器を習うことについて、ご家族の理解は得られていますか?」

ということです。

中には、反対されているけど、こっそり来たという人もいますしお母さんは乗り気で、入会申し込みしたけれど、楽器なんて買えないとご主人に反対されて、やっぱり辞めますってキャンセルされたり…。

こういうのは、こちらにとって迷惑なんですよね…。

あとから家庭内トラブルになって、話が大きくなって、先生のそそのかされてうちの子供はすっかりやる気になって困ってる、なんて逆恨みされたりする恐れもありますから。

ピアノは特におうちに楽器がないと練習できません。電子ピアノでも楽器を家の中に置くには、家族の理解が必要です。

ピアノをおく場所がないといって、買ってもらえないっていう生徒さんけっこういるんですよ。

だから、おうちに楽器を置くということは、そんなに簡単にクリアできる問題ではない人もいるという認識を持っておくといいです。

そういう意味でも、ご家族の理解の確認をしてください。

 

確認事項5

「他の教室も探されていますか?」


体験レッスンをいろいろ受けてみて、選ぼうとしているのか自分のところだけで判断しているのかを知るためです。

昔、体験レッスンを受けてもらって、とても気に入ってくれたので、ぜひこちらでレッスンお願いします。と入会を決めてくれた生徒さんがいました。


テキストも渡して、翌週からレッスン開始の予定でした。

そしてその第一回目のレッスンの前日の夜、いきなり

 

「家の事情でどうしても辞めなければいけなくなりました」

 

と電話がありました。

 

「え!?明日からレッスンなのに?」

 

なんでなんで??

いくら理由を聞いても教えてくれません。「家の事情で」の一点張り。

翌日、テキストを返しにお母さんがいらっしゃって何度も謝っておられましたが、やっぱり理由は「家の事情」としか言わない。

私は、これでとても傷ついて、しばらく立ち直れませんでした。

 

何か失礼があったんだろうか。

おうちで大反対されたんだろうか。

 

考えてもしょうがないことをずーっと何日も何日も考えては落ち込んでいました。

 

あの当時は、この仕事辞めようかな、と思ったほどモチベーションが一気に下がった出来事でした。以前、ブログでも書いた、仕事を一ヶ月休んで旅に出たくなったというアレの原因です(笑

結局、ドタキャンの理由は、よその教室に行ったということを何年も経ってから知りました。

あのとき正直に言ってくだされば、こちらもあんなに落ち込まなくても済んだのに…とすごく残念でした。

 

よその教室と同時期に体験レッスンを受けたり、突然意趣返しされることはよくあります。

選択肢が広がれば、より良いと思われるところに我が子を通わせたい、我が子のためならそんな非常識も平気でされてしまうこともあります。

でも、この出来事があったおかげで、レッスン規約を作り、入会には規約の同意を必須とし、入会申込書に記入して「正式に」入会する、というシステムを作るきっかけになりました。

 

仕事を辞めそうになるほど、ショックな出来事だったけど、そのおかげで自分の教室のシステムを見直すことができたので必要な経験だったと思っています。

 

でも、そのおかげで未だに、最初のお月謝をいただくまでは正式に入会してもらった気分にはなれなくなりました(笑

他にも、規約の中で特に伝えておきたいこと、補充レッスンのことや、月謝のことなどは初対面の緊張感のあるときだからこそ心に残るので、大事なことはこのときにお話ししましょう。




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