非常時の管理編

  • 非常時・災害時マニュアルを作成

昨今、大地震、大雨、などの大きな災害や、新型コロナウィルスなど、これまで経験をしたことがない非常事態にさらされることが多くなりました。

こういう時、個人のピアノ教室であっても、災害のためのマニュアルを作っておくべきです。

私は、宮城県に住んでいます。2011年の東日本大震災の被害に遭いました。沿岸部ではありませんが、ライフラインを失うとどのような生活になってしまうか、というのを肌で経験しています。


あの日もまさしくレッスンが始まる前に大地震に遭い、停電でネットも電話も繋がらなくなくなり、突然世間と断絶されたような状態になりました。生徒さんと全員と連絡をとりあえるまで1ヶ月近くかかりました。連絡がとれないまま、レッスンも当然できず、復旧を待ちながら自宅避難民となっていた頃。

震災から3日後、まだ県内は停電していまして、大きな余震が収まらない中、スーパーに買い出しに並んでいる時(入場制限がされ、品物不足で1人何品までと制限されていたような時期)、生徒さんから電話がありました。


「今日のレッスンはありますか?」

と。

 

(え、うそでしょ。この状況でなんでレッスンがあると思った?💦)

 

と、ちょっとパニックになった覚えがあります💧

停電で電気もつかない、テレビも見れない、お風呂も入れない非常時にですよ?ガソリン不足で、どこのガソリンスタンドも一日中長蛇の列を作っていた頃です。


もちろん、毎日その生徒さんへも電話をしていて繋がらない、という状況でした。この日は私がたまたまエリア的につながりやすかった場所にいたのと、その生徒さんも携帯からでしたので、たまたま繋がったのだと思います。私の携帯もバッテリーがギリギリでした。


ははー、こんな非常事態でも「レッスンがあるかも」と思う親御さんがいるんだ!と思いました💧

 

この経験から、

災害にあった場合の、教室の対応を示すガイドラインを作らなくてはいけない


と感じたんですね。

2020年の新型コロナも同様です。これは全世界が今まだ見えない収束に不安を覚えながら、ピアノの先生方が悩みながら試行錯誤されたのはないでしょうか。


2月の半ばには、第一報として新型コロナに関してのガイドラインのプリントを作成して配りました。震災のことを思い出したからです。


今は、いつどこでで大きな災害が起こってもおかしくない状態です。

ピアノ教室における、非常事態時の対応の必要性というのは、間違いなく昔よりも強くなりました。

 

お子さんをお預かりすることが多い私たちの立場では、どのような対処をすればいいんでしょうか?

実際に、私が作成したガイドラインをPDFにまとめましたので、参考にしていただければと思います。(この記事の一番下にリンクがあります)

 

緊急連絡先をまとめる

緊急時、生徒さんの急な体調不良、災害、政府からの突然の緊急事態宣言によって、レッスンが不可能な状態になるということもなくもありません。

先生と保護者の間で、非常時におけるガイドラインを決め、確認し合っておくことが大事です。

入会時に書いてもらう申込書に、自宅などの連絡先の他に、緊急連絡先として、携帯電話番号、メールアドレスも教え合うことを必須にしましょう。

 

2011年3月11日の東日本大震災で、被災地となった私の住んでいるところでも、平日だったため、当然午後からレッスンの予定がありました。

地震直後に停電し、そこから4日間電気がない状態でした。一般電話も携帯電話も電気が復旧してもしばらくはつながりませんでした。

地震直後だけはメールのやりとりをかろうじてできましたが、その時点で連絡できたのはとりあえず、当日の金曜日と土曜日の生徒さんの一部で、そのあと1ヶ月ほど不通な状態が続きました。

停電したらレッスンは不可能。これを実感しましたね。


宮城県は、昔から大きな地震が多いところで、例えば震度5の地震があっても普通にレッスンするようなそういう慣れはありました。


震度5の揺れでもレッスンできたのは、停電しなかったからです。


当たり前の話ですが、電気が止まると社会インフラも失うことになります。生活機能の一部を失ったら生徒さんの安全を考えてレッスンは中止。と決めました。

 

ただ、携帯のメールだけはかろうじてつながることもありました。でも10回トライしてやっと送信できるくらいの割合いだったし、送信中に圏外になっちゃったりもして、携帯の圏内にいることの方が大事かもしれません。

私は、当時メールアドレスを聞いているお母さんが少なかったので、メールアドレスも交換するべきだったと思いました。

東日本大震災では、ネットが比較的強く、携帯のアンテナが立つところであればtwitter、Skypeなどはつながりやすく、安否確認などにすごく役に立ったそうです。

そういったネットのツールを介してフォローしあっておくのもいいと思いますが電話よりもメールがつながりやすい可能性が高いので、緊急連絡先を聞く時はメールアドレス(またはLINEなども)も聞いておきましょう。


 

災害時のレッスンとマニュアル作成

先ほど書いたように、停電したらレッスンは不可能です。

情報が突然入ってこなくなるので、何がいつ復旧するかという情報を得るのは個々の生活環境にかかっていて、みんなが同じような情報を共有しているのかすらわかりません。

そして、こういう緊急時に、ピアノ教室としてはどういう対応が一番いいのかも自分も被災してしまうと、判断がかなり難しいことも実感しました。

ですから、災害時におけるレッスンの扱いについて、マニュアルを作成しておきましょう。

実際に災害に遭うと、人によって心に受けるダメージも違いますし生徒さん自身は無事でも、家族や親戚が被災したなどで、レッスンの復帰が難しかったりすることもあります。

マニュアルがあってもその通りには行かないケースも想定して、そういう個々の状況も見極めて、慌てずに判断しましょう。

同じ県内、市内でも復旧状況によって、レッスン再開の目処は教室によって差があります。


ですから、よその教室のやり方にあまり左右されることなく、自分ができる範囲で判断、行動して大丈夫です。冷静に落ち着いて対応しましょう。


このマニュアルに、避難訓練のことも触れていますが、避難経路について考えておく必要があるでしょう。


避難方法を決めたら、生徒さんと一緒に実際に避難訓練をしましょう。そして、避難訓練についても、お家の方にもお伝えしておきます。

 

災害時のレッスンの扱いは、レッスン規約にも書いておくといいと思います。

 

以前なら、「万が一」のケースとして載っているもの程度な認識だったと思うのですが、今は日本中に防災、緊急時の備えについて非常に関心が高くなっているので、この点についてはしっかり対策、対応をしていることをお話しできれば、それだけ安心できる教室だと信頼を持っていただけます。

 

 

流行性疾患の場合のレッスン

幼稚園や学校で、季節性の流行性疾患など、幼稚園や学校に行ってはいけないような疾病が流行ったとき、ピアノ教室でも対応しなくてはいけません。

昔、生徒さんがおたふくにかかって幼稚園をお休みしていたのですがまだお休み中に、もうよくなったということで、その生徒さんがピアノのレッスンには来たことがありました💦

私は、おたふくにかからずに大人になったので、内心すごくびくびくしていました。

近頃では、命の危険もあるような新型インフルエンザなどの流行、そして新型コロナウィルスの出現により、そういう病気への認識は昔と変わったので、学級閉鎖中で生徒さん自身が罹患しているのに、レッスンにはくる💦という無謀な生徒さんはいらっしゃらなくなりましたが、この点も、お伝えしていた方がいいでしょう。

コロナ禍においては基本的には、本人がその疾患にかかっていなくても、学級閉鎖が解除されないうちは、または自宅待機期間が解除されないうちは、レッスンもお休みしていただくようにしましょう。

 

レッスン室の換気、除菌アルコールーの常備など、衛生面にも気を配った環境づくりも同時に気をつけましょう。

 

この点を生徒さんとそのご家族と情報を共有し、自分を守ることはみんなを守ることにもつながる、と意識を高くもっていただけるといいですね^^

この点についてもレッスン規約、そしてホームページに載せておくといいです。

そして、この場合、強制的にお休みとなってしまうので、生徒さんの都合でレッスンを休むという場合とちょっと意味が違ってきます。


この場合は振替レッスンが発生するケースなので、そのあたりもフォローしてお伝えしておくといいでしょう。


特に、現在のコロナ渦では、いつだれがPCR検査、または陽性になってしまうかわかりません。災害時とはまた違って、検査や自宅療養、待機によって、たびたびレッスンを休業する可能性もあります。

コロナの場合、レッスン回数にダイレクトに影響してるのでそういう部分もどうフォローするのかという部分も考えましょう。

このガイドラインも教室によって対応は全然違うはずです。やはり他の教室のやり方に左右されず生徒さんや地域の空気感を読んでガイドラインを作っておきましょう。

 

そして、政府や自治体から休業要請が出た場合は、すみやかに対面レッスンをやめて、オンラインレッスンなどの代替レッスンへ移行できるように体制を整えておく必要があります。


そして、ピアノ教室側では、いつからいつまで休業したかを証明できるものを残しておきましょう。(例えば、対面レッスン休止のお知らせなどのお便りを日付を入れて発行するなど)


そうすると、あとから自治体から協力金という形で給付されるときの、必要書類の1つになりますので、とっておきましょう。

ここで、私が生徒さんに入会時にお渡してしている「大地震の際のガイドライン」と「新型コロナウィルスにおけるガイドライン」をおまけでpdfファイルにしましたので、ご自身の環境に合わせて編集して、ご活用いただければと思います。


おまけ

緊急時のレッスン対応のガイドライン ▶︎ ダウンロードはこちら



 

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