今度は、レッスン室からちょっと離れたイベントについて書いていきます。生徒さんや親御さんとの関係を深めてくれるイベントです。
親御さんとの関係を深めるということは、先生の思いも伝わりやすく、理解してもらえるようになります。
親御さんの理解をいただけることは、ピアノ教室運営をする上で、起こりやすい生徒さんとのトラブルを防げるという大きなメリットになります。
先生の威厳を保つためだったり、独りよがりのイベントになってしまわないように(そういうふうにおっしゃる親御さんもいるようですからそれを防止するために)、ちゃんと理解をいただいてから開催するようにしましょう。
ミニコンサート
マンツーマンのレッスンスタイルの場合、他の習っている子の演奏を聴く機会が普段はほとんどなく、自分がどの程度進んでいるのか、練習が多い方なのか少ない方なのか、を知ることができません。
他の子の演奏を聴く機会と言ったら、発表会くらいしかないわけです。だけど、その発表会もしょっちゅうできるものではなくて、年に一回程度です。
発表会とは別にみんなで集まってピアノを弾く機会を作れないものと考えた時、「弾きあい会を兼ねたお楽しみイベント」などを開催してみるのもいいです。
「サマーミニコンサート」(夏休み)「ハロウィンコンサート」「クリスマスコンサート」など。
私は、年末に「クリスマス会」を開くことにしました。
今はコロナ禍でできませんが‥。
「クリスマス会」で弾く曲は、今習ってる曲、お気に入りの曲をみんなの前で弾き合いっこをする、という趣旨のものにしました。私も弾きます。
クリスマスなので、ケーキやおかしなんかも用意して、会費制で、参加は任意、ご家族の方にもよろしければ見に来てくださいというご案内をした、普通の「お楽しみ会」です。
結果は予想をはるかに超え、生徒たちはみんな楽しんでくれました。少人数でも「人前で弾く緊張感」は同じなようです。
発表会と違うのは、弾いた後のみんなのリアクションがすぐ感じられること。ちょっと間違えて「えへへ」となって、みんなが笑ったり、小さい子が弾く姿をみて、「かわいい~~!」と声が上がったり。
みんなの拍手のあたたかさがダイレクトに本人に伝わって、ライブ感を楽しめるということがなにより楽しいです。
さらに気づいたのは、普段のレッスンでは見せない生徒さんの表情を見ることができるということです。ふだんの1対1だとなかなか話せないことも、みんながいると、
「先生、こういうの弾きたいなぁ」なんて言ってみたり、
「今度、◯◯ちゃんと連弾していい?」という話になったり発見がたくさんありました。
「発表会で、これが弾きたい」というような発表会のモチベーションが高まったりという効果もあるようです。
先生によっては、年一どころか季節の行事ごとに何かしらのお楽しみ会を催す先生もいます。
手作りのケーキや、クッキーを焼いてみんなにご馳走するなど、先生の愛情がたっぷり伝わりそうですね。
発表会を開く自信がまだない場合に、こういった小さな発表会のようなもので、あなたも生徒さんも経験を積む機会にするというのもいいと思います。
できる環境にあるなら、そういう会を開くのは生徒にとって楽しい思い出にもなりますし、人前で弾く喜びを味わってもらう機会を与えてあげてください。
と、ここまではあくまでも生徒にとっての音楽的なメリットです。
身内だけの小さいコンサートといっても手間ひまは発表会とそんなに変わらなかったりします。なぜここまでするか。
こういうお楽しみ会に、おうちの方にも見に来てもらうというのは、「生徒募集」の目的もあるからです。生徒のお友達を紹介してもらうという名の。
お友達を紹介してもらうには、まず、自分の子供を通わせている教室って、どんなことをしているかを知ってもらうアクションがとても大事なんです。
新しい生徒さんを紹介してもらうときにも、
「うちの子どものピアノ教室は、これこれこういうことをしてて子供もすごく楽しみにしてるのよ」
と具体的な口コミをしてもらえるからです。
当日、これなかったおうちの方には、後日、「クリスマス会を開きました」のお便りを書いて配布するといいです。もちろん、お便りに載せることを想定して、写真も撮っておきます。
「生徒募集」の伏線は、どこにでもあります。ネットに頼らなくても、こういう意識して行動しているかしていないかの違いで変わってきます。生徒のためにやっていることは、どんどん発信しましょう。
中高生のためのイベント
中高生は部活や受験など、ピアノだけに時間をとれない忙しい年代です。
ピアノは好きだけど両立できなくて悩んでいる生徒さん、やめようかなと迷っている生徒さんもちらほら発生しますよね。
そういうときは、中高生だけが対象のコンサートをレッスン室で開いてあげるといいです。
女の子だけ、男の子だけでもいいですし^^お便りでも発信して、とにかく中学生にならないと参加できないというハードルを作ります。そうすると特別感がありますよね。
やめたいと思っていた生徒さんが考え直すかもしれない、自分なりのピアノの楽しみ方、関わり方の方向性が見つかるかもしれません。
単純に、お友達が弾いている姿は刺激になりますから、モチベーションアップにもなります。
発表会を定期行事にする
ピアノ教室最大のイベントと言っていいピアノの発表会。これは、やっぱり教室単独での発表会が生徒募集には効果的です。
どんなに小規模でもいいんです。大事なことは、
定期的に開催すること
です。行事が定期的に開催できるということは、それだけ安定したピアノ教室であるという証明にもなります。
そして、この発表会を先生のオリジナルあふれるイベントにすることで、生徒さんの「この教室に通ってよかった」という満足感と、おうちの方々への信頼関係がますます強まります。
そのために、発表会の企画には手を抜かないことが大事です。
たとえば、プログラム構成の工夫、プログラムの工夫、生徒さんとコミュニケーションを取れるような工夫、演出の工夫、大変ですが、「自分だからできる何か」を発表会に取り入れる意識を持つようにします。
よく言ってくださるのは、
「お友達のピアノの発表会は、なんか弾くだけで終わりで、先生のところみたいな感じじゃないって。だから子供とmarble先生のところでよかったねって言ってるんですよー」
と。よその教室を下げるつもりはないですし、私のところが特別ものすごいことをやっているわけではありません。
この発表会というイベントを、生徒さん、親御さんと一緒に盛り上げましょうーという空気を作ることに努めているだけです。絆を強めるといいますか^^
一帯感が生まれたら、それは教室のブランディングできているのと同じです。
レッスン、生徒さんやお家の方々とのコミュニケーション、教室のイベント、おたよりなど、先生の思いを発信するところはいくらでもあります。
生徒さんにしっかりお伝えできている状態を作ってから、生徒募集に取り掛かった方がブランディングできている状態なので、あとからとても楽です。
すでに教室を運営されている先生は、こんなふうにしてちょっとだけ今までより意識を変えてみてください^^
発表会に関しては、すでに有料コンテンツとして公開しております。興味がある方はこちらのリンクからご覧ください^^


