さて、生徒さんとの良い関係を築くために、コミニュケーションの取り方について考えてみたいと思います。
私は、自宅レッスンと、生徒さんのお宅に行ってレッスンをする出張レッスンと両方経験がありますので分けて書いていますが、どちらの生徒さんにも共通するところもあるので、親御さんとのおつきあいに関して参考になるのではないかと思います。
自宅生徒さんの場合
自宅生徒さんは、1人で通ってくることが多いので、生徒の保護者と会う機会がまず少ないです。ということは、コミュニケーションがちょっと取りづらいです。(出張レッスン比で)
送り迎えでお母さんにお会いすることがある場合は、なるべく生徒さんが靴を履いている間のちょっとした時間に、今日のレッスンのこと、こういう練習をすると良さそうですーみたいな会話、そして雑談することもけっこう大事です。
それで、できればですが。
入り口のところでちゃんと頭を下げて車が見えなくなるまで見送る。で、生徒さんが車からいっぱい手を振ってくれる子が多いですから、ちゃんと応えてあげるといいですね。
出張レッスンで、私が帰るとき玄関先まで生徒さんもきて見送ってくれたり、外まで出て私が見えなくなるまで立って見送ってくれる生徒さんが多いんですね。その気遣いがすごく嬉しいんですよね。
そういうのをみると立場など関係なく、来ていただいたらお見送りをする、というのはすごく大事なことだなあと思ってやっています。
自宅レッスンの場合は、次の生徒さんが来ていることもありますよね。
生徒さんがレッスンの準備をしている間にお見送りするとか、一緒にレッスン室の入り口(離れなので入り口ドアを開けるとすぐ外)からお見送りするとか(笑)、そんな穏やかな対応っていうのは人柄や教室の雰囲気を出せるのではないでしょうか^^
さて、今度はコミュニケーションが少ないと予測して、問題発生回避のために先生ができることはなんでしょう?
1.連絡ノートを作る
その日のレッスンの内容やできるようになったこと、連絡事項などを書く。できるならお母さんにも書いてもらう。悩みなどがあればそちらに書いてもらってもいいですね。
2.レッスンに通う曜日、時間を厳守してもらうように促す
けっこう大事です。特に入会直後、レッスン曜日と時間を守ることが定着してくるまで、穏やかに丁寧にお知らせをするようにします。
レッスンに通うことをお子さんにゆだねてしまいがちなので、少し時間にルーズになってきたなと思ったら、レッスン終わりや別日に電話で確認の連絡をしましょう。
3.お休みの連絡は徹底してもらう
生徒さんが来るまでいつまでも待つのではなくて、10分過ぎたらすぐ電話連絡を入れます。勝手に休んではいけない、事後報告ではいけない教室なんだと感じてもらうためにです。
レッスンをお休みしたり、遅れてしまうケースの対応を何もしない先生というイメージを持たれないように、ちゃんとレッスン時間を確保して待っていますよ、と伝えるためにも大切な連絡です。
こういうときのために、緊急連絡先を教えてもらっていた方がいいです。
4.言いにくいことを伝える時には、穏やかににこやかに、でも毅然と
言いにくいことを言わなければならないときって、先生にとっては「いよいよ堪忍袋の…」状態のときもあれば(笑)もうがっくりしてモチベーションがあがってこない時。
どちらにしても精神的によくない状態です。
でも保護者の方にとっては、そんなんでもないんですよ。なにせ平気で約束を守らないんだからその重要性なんかわかってないんです。
だから、心にゆとりが持てるまで気持ちが落ち着くのを待ってからにしましょう💧
この時点で多少温度差があるので、親御さんの温度差におおむね合わせて、またはこちらの方が若干明るいテンションでお話すると、ちょうど中和されます。いろいろと(笑
穏やかに。必ずへりくだる。相手を立てる(同調する)。聞く耳を持つ。そして、お伝えしたいことを伝える。
「先生が言ってることは守るべき。聞くのが当然」と思うのはわかるんです。本音は心底そう思っていたりもします(笑)
でも、へりくだったり、にこにこしながらでも、最終目標である「教室側の言い分を納得してもらう」ことができればこっちのもの、という気持ちになることも大事です。
5. 時々、レッスンを見学してもらう
時々でいいので、レッスンを見学してもらうのもいいですね。通ってくる生徒さんのお母さんは、普段どんな風にレッスンをしているか見ていないのでわからないんですね。
見ていただくと、おうちでの練習とレッスンがどうリンクしているのかを理解してもらえますし、先生が生徒さんにどんなふうに接しているのかもわかってもらえます。
たまに、「その曲初めて聴いた…」と言われることもありますので(笑)生徒さん本人にとっても、練習をサボれないというメリットも発生して、おうちでの練習の軌道修正する機会としてもいいですよ^^
6.距離をむしろ縮めるくらいの気持ちで接する
自宅の生徒さんは、先生をかなり上に見ているといいますか、控えめな立ち位置にいらっしゃることが多いように思います。本当はもっといろいろ相談したり、言ってほしいのにな、と感じるかもしれません。
お楽しみ会などにお呼びして交流を深める機会を作るとすごくいいです。こちらから発信し続ける姿勢というのを積極的に行なっていく意識をするようにします。
私の場合、オンラインレッスンをする関係上、LINEで登録してもらうのですが、特に入会された生徒さんとは初めのうちは、やりとりを多めにして関係をちょっとずつ温めていきます。
特に、コロナ以降、明らかに自宅のレッスンのお母さんたちとの関係性がすごく良くなりました。
連絡事項がとても増えて、そのたびに一斉LINEなどやっていたものですから、お母さんたちの協力します!のご理解をすごく感じました。
常日頃から、生徒さんのために動いてくれている、生徒さんのことをたくさん考えてくれている、という姿勢をお便りなどの他にお見せしてきたことで、受け入れてもらえている実感があります。
コロナ禍で、オンラインレッスンの必要性が増えて、賛同を得る部分においても大きな意味がありました。
というように、けっこう面倒なことばかりで、私などは私生活は無頓着ですが、こと仕事に関して、「生徒さんがどう思うか」というのをやりすぎなくらい考えておりますので(汗)疲れます。
ですが、こういう地道な継続した先生の対応は、必ず伝わりますので、一見ストレス!!と思っても、「まぁしょうがないか」と気持ちを切り替えて気楽に受け止めるのがポイントです(笑
出張の生徒さんの場合
自宅生徒さんとは違い、出張レッスン先のお母さんとはほぼ毎週会います。だから頑張ってコミュニケーションをとろうとしなくてもその点では心配ありません。
レッスンを見ていただいているので、おうちでの練習の参考にしてもらいやすいです。
発表会などの感想をダイレクトにもらえるし、言いたいことも伝わっているのでレッスンもしやすいです。ただ、仲良くなりすぎて、ケジメやメリハリがなくなってくることが注意です。
1.滞在時間を決めること
レッスンが終わった後、だらだらお話されることがあります。
これを一回すると翌週もそうなる可能性が高くなります。初回から、滞在時間を決めて、決まった時間に失礼する、というのを徹底しましょう。
これは自宅レッスンの生徒さんにも見られるようですが、レッスンが終わってからの話が長引くパターンですね。
生徒さん自身の相談ではあるのですが、次の生徒さんも待たせているので、そんなにガッツリ相談に乗れない時もあります。
そういう時は、電話か別日に改めて時間をとることで解決します。
たぶん、レッスン終わりに話したい、というだけかもしれませ。ですから機会を別に設けてみたらそうでもなかったという場合も。
それでも毎週聞いて聞いてのお母さんだったら、お母さんのためのお子さんへの練習サポート法、相談窓口を新しく始めてみます。もちろんそれは有料で。
有料で相談を聞くくらいのことをしないと、先生の時間が削られてしまいます。地味に辛いですよ。
コミュニケーションとはまた別の話です。「節度の話」ですから、履き違えないようにしたいですね。
2.自分の立場をわきまえる
仲良くなったからといって、だんだんタメ口になっちゃったらだめです(笑)気が合うお母さんだなと思っても「レッスン」を介しての縁だということを理解しておいてください。
そのうち公私混同して面倒なことになります。何より「先生としての威厳」が崩壊しないように、生徒さんのお母さんの方は自分のことを友達のよう親しく思っていただいても、自分は「先生だ」という気持ちは忘れないでください。
それが社会的に信用される人間であるということです。
3.ダメなものはダメという
自宅の生徒さんより仲良くなりやすいのですが、仲良くなりすぎてその割りを食うのはこちらです。
だんだん先生をお迎えするときの姿勢がゆるくなってきて、お邪魔した時から教える気がなくなっちゃう時があります。これは多少は覚悟してください。
(例:先生が到着してから、近所に遊びに行っているお子さんを呼びに行くとか、夜のレッスンだとパジャマでレッスンを受けさせるとか…)
ただ、レッスン日の勝手な変更や、特別に~してほしい、などの要望はできない、とはっきり言いましょう。もちろん言い方は前に書いた通りです。
しつこいようですが、「穏やかに、でも毅然と。」
4.詮索しない
これはすべての生徒さんに対して共通することですが、出張の場合は特に、生徒さんのおうち(プライベートな場所)にお邪魔しているので、おうちの方もリラックスして心を開いていろいろ打ち明けてくださったとしても、こちらから個人的なことを詮索してはいけません。
当然ですが、おうちの中をキョロキョロ見てはいけません。私はそのお宅の玄関とピアノしか見ないようにしています。目線の動きって目立ちますからね。
また、受験を控えて、志望校を聞いたりという個人的なことも、生徒さんからお話するまで振りません。
詮索すると、こちらも同じことをされても文句は言えません。
出張の生徒さんに関しては、近くなりすぎないような距離感を保つ努力が必要だと思います。
やっぱり難しいんですよ。その駆け引きが。ここまでは言っていいけど、ここからは素の自分だな、先生らしくないよな、とか(笑)
このあたりの加減がうまくできれば、上手につきあっていけると思います。
次は、途中入会の生徒さんとのコミュニケーションについて書いていきますね!


