⑤途中入会の生徒さんに関して

途中入会の生徒さんの親御さんに対応する

最初から自分のところに習いにきてくれた生徒さんと違って、これまでどこかで習っていていろいろな事情で途中から入会することになった生徒さんとでは気をつけるべきところがあります。

 

お引越しなどで、ピアノ教室を変わることを余儀なくされた生徒さんの場合はそれほど大変ではありません。

 

今までの先生のレッスンをそのまま継承する形で、あなたのレッスンをすればいいのです。

 

それ以外の理由で途中入会してくるような場合は、神経質なほど入会時に慎重な対応が必要です。

 

まずするべきことは、

 

  1. なぜ前のところを退会したのかを聞く
  2. どうして自分のところに入会する気持ちになったのかを聞く
  3. 教室の方針と、レッスン規約について同意できるか確認する

 

生徒さんを紹介してもらうと、生徒が増えることにすごくうれしくなって大歓迎!とついなるんですが、安易に入会させてしまうとあとでしわ寄せがきます。

昔この途中入会で大失敗したことがあります(汗

結局、一年後に退会してしまいました。やっぱり最初にちゃんと話し合っておくべきなんだと強く思ったきっかけになりました。

 

思えば、何から何まで生徒さんのニーズと提供できるものに差がありすぎたんですよね。若気の至りで、自分のレッスンで変えてみせる!なんて意気込んでしまって結局空回りでした。

思い上がりもいいところでした💧だから、ノっている時ほど調子に乗っちゃダメです(笑

 

家が近いから、という理由であっても、まず体験レッスンを受けていただいて、最初から入会する生徒さんと同じような手順を踏むことをお勧めします

 

そして、レッスンのカリキュラムについては、よーく話し合って、同意していただきましょう。

たとえば、それまで使っていたテキストではない方法でレッスンしたいと判断した場合は話し合う必要があります。

 

こちらがどんなによかれと思っても、生徒さんや親御さん自体が、それまでのレッスンの進め方で何にも不満がない場合は無理やり方向を変えないほうがいいなと思います。

どうして教室を変えたい、先生を変えたいかと思う理由とその対応について書いていきたいと思います。

 

月謝が安いからという場合

安いし即決します、レッスンも全部先生におまかせします、とよく話も聞かずに決められてしまいますので、他の生徒さん同様きちんと教室の方針に同意を頂きましょう。

というか、正直お断りの選択肢もふまえておいた方がいいと思います。

 

月謝が安いから通う方は、しょせんそこが大事なんです。レッスンの中身以上に。もっと安い教室があったらすぐそちらに行ってしまう可能性が高いです。

 

前の先生が合わなかった場合

これは、逆に前の教室で嫌な経験をされてる場合が多いので、こちらを期待をこめて好意的に見ていただくことが多いです。

ここなら大丈夫そう、とほっとするのか、前の先生がどんなにひどかったかの不満を爆発させる方もいます。

でも、それに同情しても(確かにほんとにひどいなってときもあります)便乗して一緒になって悪口にを言わないようにしましょう。

 

やっぱり、一方の言い分しか聞かずに判断はできないんです。知らない先生のことをどうやって批判できますか?

考え方を変えて、自分も同じピアノ講師なんだ、同じ職業の人がこんな風に言われるようなレッスンをしたのでは、同業者としても心が痛む。

自分はこういう悲しい思いをさせないようなレッスンをして、ピアノの先生に対する不信感や嫌な思いをさせない先生になってこんな風に言われない仕事をしようと思うことにすると建設的です。

 

「それはちょっとね・・・。同業者として悲しいですねー」くらいにとどめて、さらには、その生徒さんが、今までお金をかけた分無駄だったと思ってしまってるのも悲しいので

「その先生とのご縁があってここまでピアノが弾けるようにしていただいたところもあると思うので、それはよかったことですよ」

 

先生へのフォローを入れます。

こういう方は、逆に何かのきっかけで、自分のこともどこかで言う人かもしれない、と思うことも大事です。

 

そうすると、おのずとそのときに何を言えばいいのかわかるものです。それが自分の立場を守ることでもあるかなと思います。どんなパターンでも、前の先生のレッスン法の否定はご法度です。

よそに通っていた生徒さんを迎えることはかなりデリケートなことだと思います。

 

あっちの先生はこうだけど、こっちの先生はこうだと比べる対象があるわけなので、きちんとこちらの教室の方針、理念、レッスン内容をよく理解してもらって、どちらがいいかよく考えていただく方がいいでしょう。

「前のところはこうだったので、そうしていただけないですか?」みたいなことを言われると、とっても先生が大変だからです。

 

前のところに在籍しながら体験レッスンを受けようとする人

今通っているピアノ教室をやめようと思っているけれど、やめてすぐ次の教室に通えるように、いろいろ打診してくる方がまれにいます。

これは、今通っている先生に失礼だなぁと思うんですよね。どんな先生であろうと。

「今の先生とお話して、円満に退会なさってからおいでください」と言います。

 

また、今後の送り迎えや進学した後のことを考えて、利便性の良い教室(私の教室)へ移ろうとしているお母さん。今現在は、先生にもよくしてもらってお子さんも楽しくレッスンしているとのこと。

「お子さんが楽しくレッスンしているのであれば、そちらを大事にしたほうがいいと思います。先生との相性もすごく大事なので。いずれにしてもちゃんと先生とお話をして、お子さんも納得して退会してからお話を伺います。」

と言います。こういうことを聞くと心が痛いです。キープしておいて、結婚相手をこっそり見つけてくみたいな💧

どんなに新規生徒さんがほしくても、こういう入会のしかたを受け入れられません。

どこかで同じことされますから、100%の気持ちでうちを選んでくれた生徒さんのためにも誠実な対応をしたいです。

 

同業の先生にはリスペクトを持つ。そして同業者として筋を通す。

 

大事なマインドだと思うんですよね。

 

大手音楽教室から移ってくる場合

グループレッスンだったとか、個人だったけどついていけなかったとか。大手って言うと私の場合一つしかないのですが、たいがい譜読み力よりも耳の方がすごくいいのです。

 

だから、読めなくても雰囲気で弾けてしまう部分はあるのですが、いつかどこかで限界を感じるだろうからそうなる前に、なんとか教えなおしたいけどそれが私の指導力不足で(泣)かなり難しいです。

 

そして、ある程度大手に行っていたから「できる」という自負もあるので、プライドを傷つけるようなことも言えません。テキスト選びもすごく慎重になります。

 

「ちょっと譜読みが苦手みたいだから、こういう練習しようか」

なんてとても言えません。私が最初から教えているのならなんとでも言うのですけど(笑

 

「こうするともっと譜読み早くなるよ」

「耳がいいから譜読みのスピードあがったらもっと早く弾けるようになるね」

 

みたいに言葉を選んだり、無理に変えようとはしないようになりました。

こういう生徒さんのときの体験レッスンをするときは、譜読みがどのくらいできるかチェックしてからテキストを選びましょう。

譜読みのできなさが深刻な場合は、体験レッスンの時に「譜読みにさらに強くなるレッスンをしてもいいですか?」と了承を得てレッスン開始が一番いいかもしれませんね。

 

このように、途中入会の生徒さんには、早くなじんでもらおうとするあまり、自分の教室のカラーに焦ってはめようとしないことが大事かなと思います。

 

生徒さんの保護者とのおつきあいは、ピアノ講師の仕事で関わりのある最重要な人間関係なので「距離感を保って」気持ちのいいおつきあいをしましょう。

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