く1レッスンの単価を知ろう
ここのページは、計算しながらシミュレーションしますので、長くなります💦
でも、目から鱗請け合いです!
ぜひ、電卓をお手元に用意して読んでいただくと良いかと思います^^
みなさんは、1レッスン(30分)あたりの単価をどうやって計算していますか?
でも、多くの先生はこのあたりを曖昧にしてしまっている方が多いので、ぜひシミュレーションしてみることをおすすめします!
この作業はですね、「教室リニューアル」をする際にもすごく役に立ちます!
正直な話、教室リニューアルの内容の主たる目的の1つはズバリ「お月謝の値上げ」ではないでしょうか(笑)
この計算をしておくことによって、どのくらい値上げ可能かとか、先生自身の中で値上げする根拠というのが明確になるので、自信を持って「教室リニューアル」ができますよ^^
ゆっくりやってくださいね!
さて、相場を調べていくと、月謝設定のパターンにはいろいろありますよね。一般的なお月謝のシステムをあげてみます。
☆ 1レッスンを単価にしている場合
☆ レッスン時間で決めている場合
☆ レベル、年齢によって月謝の額を設定している場合
☆ 途中で値上げなしの一律料金にしている場合
☆ 上記を組み合わせて設定する場合
私がこれまでの経験でたどり着いた結論は、
自分のレッスンの1レッスンの単価を決めてそこから月謝を設定する
ということです。
さて、実際にやってみましょう!これから月謝を決める方はシミュレーションになりますよ!
この数字の出し方は、
1レッスン単価(30分のレッスン単価)× 年間の回数 ÷ 12ヶ月 = 月謝
という考えから導き出します。これに「生徒数」というのも関係させると、さらに明らかになってきます。いろいろなことが。
この生徒数がどう関係するのか?というと、例えば、
自分が稼働できる日数が一週間で何日で、 その稼働できる日数の中で、最大何人まで生徒を受け入れ可能かということを考えてみます。
これはあなたが教えられる生徒数のMAX値になります。
もし、1日6人教えられるという人は、稼働日数が週に何日であろうと、MAX値で1週間フル(週5日として)で稼働するとして計算すると、
1週間で教えられる人数 = 1日6人指導 × 5日(週) = 最大30人
次に、月謝に人数をかけたら月収が出てきますね。自分で決めた月謝に対して、その月収は自分にとってどうかな?と冷静に考えてみます。
現在月謝を5,000円に設定している先生が、1週間フルで稼働した場合の月収は、
5,000円 × 30人 = 150,000円(月収)
この計算をしておくと、今はフルで1週間教えることは難しいという方も、将来1週間フルで教えられた時、本来いくらの月収なのか?を知ることができます。
これがあなたの最大の見込み月収です。ここがMAX。
私の個人的な感想は、30人も生徒さんがいて15万ではやっていけない数字だと思います。
いよいよ、ここでワンレッスンの単価を出します。
⭐️月謝5,000円とした場合、生徒さん1人からいただく年間のお月謝を計算します。
生徒さん1人からいただく月謝年額 = 5,000円 × 12(ヶ月)=60,000円
⭐️では、1年で42回レッスンしているとして、年間の月謝を42回で割るとレッスン単価が算出されます。
60,000 ÷ 42(回) = 1,428.571… =1レッスン単価は約1,429円
⭐️今度は、時給換算してみましょう。一応単純にレッスン時間のみを労働とみなします。
1レッスンが30分なら、2回レッスンすると1時間ですね。
1レッスンを2回=1,429円 × 2(回)=(時給)2,858円
時給にすると、高い!ってなりますよね。
でも、最初の前提のとおりあなたの教室のキャパがMAX30人しか教えられないので、どうやっても月収15万円を超えることができません。
この時給で8時間労働ならいい仕事だなぁって思いますが(笑)純粋にレッスンだけを考えると、一日10人教えてやっと5時間です。5時間も連続で教え続けるって大変なことですよ。
私も一日10人以上を教えていたことがありますが、最後の生徒さんあたりでくらくらしてきてました(汗)
当然のことながら、最初と最後の生徒でテンションが変わってもいけません。生徒の弾く曲を真剣に聴いていないともちろん指導もできません。
仕事中にちょっとだけサボるっていうこともできなければ(笑)レッスンの間はずーっと走り続けているような相当のエネルギーが必要な仕事です。
ピアノの先生の実働時間というのは、すごく濃いんです。
そして。
ピアノの先生の仕事はレッスンだけではないですよね。
楽譜を買いに行ったり、指導法を考えたり、お便りを作ったり、生徒さんに目に触れることがない仕事ががくさんあるわけです。
レッスン以外の時間も労働時間
楽譜を買いに行くことも労働に入れるの?と思うでしょう。買い物のついでに行けますしね^^;
でも。世の中の会社員は、就業時間中に業務をすべてやって、仕事をうちに持ち込まないんです。
タイムカードによって就業時間がわかるので、会社員は仕事のオンオフがわかりやすいです。
でも私たちは仕事のオンオフの線があいまいなところが多いんですよね。
私たちピアノ講師も、レッスンが終わってすぐ今日のお仕事終わり!じゃないですよね?
レッスン室の後片付けとか、明日のレッスンの準備も仕事です。楽譜を買いに行くのも、そのための交通費も業務内の経費になるんですから、それも仕事の時間に入ります。
そして、レッスンじゃない時間に、教材研究をしたり、教材を作ったりするのも仕事。休みの日に教材を作ったりしているのは休日出勤と同じです(笑)
この時給の中には、レッスン以外のこういう時間は加えていないので、レッスン以外の仕事も労働時間に含めたら、本当の時給はもっと下がることになります。
ピアノの先生のお仕事は、生徒さんにレッスンする時間と、そのための準備・研究(セミナーに行ったりも入ります)している時間も仕事の時間と考えます。
marble
10分単位のレッスン単価も出してみる
10分単価!?と思った方もいるでしょう(笑)なにゆえそこまで!?と。
でもこの単価も出しておくとすごく便利なんですよ!
もし、40分や45分レッスンのコースを作る時の月謝の設定の目安になるからなんです。
ちなみに、さきほどの月謝5,000円の場合はの10分のレッスン単価は、
1レッスン30分で1,429円 ÷ 3 = 476.33…円(10分あたり)
10分のレッスンが約476円になります。
例えば40分レッスンなら、1,429 (円)+ 476円(円)= 1,905円
となります。中途半端な数字になりました。さぁどうするか?
私だったら、40分で2,000円にします。
40分のレッスンになると、テキストの数や内容が多くなるかもしれない、上級レベルの生徒さんには、レベルアップの部分として(95円分ですが汗)値上げ分と考えてお伝えするかなと思います。
こうやってレッスンを細分化していくときに、先生がマイナスにならないように設定することがポイントです。
だから基本は1レッスン(30分または40分)のレッスン単価を出しておき、1レッスンの単価を下回らないように設定していくのがコツです。
別の見方をすると、基本1レッスンを40分でレッスンしている場合はどうなるか。
一年回していくなら、1レッスン2,000円にしてしまって、月謝を7,000円にすると(2,000円×42回÷12ヶ月)、例えば教えられる生徒数がMAX25人でも月収175,000に円にまでなります。
ですが、レッスンの実働時間は、同じ25人で1レッスン30分レッスンする場合より4時間オーバーします。
みたいに、いろんな角度からシミュレーションしてみましょう。
理想の月収から月謝額を算出してみる
さて、レッスン単価を計算してみたところで、いったいどのくらいの月謝にしたらいいのかを考えてみましょう。
理想の収入というのは、ピアノを教えることで自分が得てもいいであろう自分の尺度の収入と言った方がいいかもしれません。
例えば、月収20万円はほしいなぁと思った時、ピアノの先生なら何人教えたらいいんだろう?と計算してみましょう。
まず、さきほどシミュレーションした結果、月謝が5,000円ではちょっと安いんだなぁと感じたとします。
⭐️月謝5,000円の先生が、1ヶ月に20万円の収入を得るには、何人教えたらいいのか計算してみます。
20(万)÷ 5,000 = 40(人)
生徒さんが40人で月収が20万円になる計算です。
ちなみに40人という生徒数は、かなり多い方と私は考えます。そして、1人の先生が指導できる人数の限界までほどなく近い線かなと思います。(50人が限度かな?)
指導限度50人まであと10人しか枠がないということで、将来MAXでも+5万が限度ですから、上昇幅的にもモチベーションが上がらないですね💧
この時点で額面20万円ですからね^^;ここから経費や保険などを差し引いたら、ちょっと厳しい。
(指導限度50人というのは、私のイメージです。この人数くらいから他の先生を雇わないとスケジュールが回らなくなるレベル。それ以上を1人で教えてらっしゃる先生もいるとは思うのでもちろん個人差はあります。)
こういう計算をしていくと、自分の価値というものをすごく考えるようになります。
「生徒さんが長く続けてもらうために良心的なお月謝」と言っても
先生自身が、
「質の良いレッスンのための勉強、それにかけた費用、1レッスンに自分の技術、音楽性、感性を生徒に伝えるために心血を注ぐことに対するその1レッスンの自分の価値は?」
と数字で出してみるといろいろ考えさせられます^^;
では、さきほど1レッスンの単価について考えましたね。その結果、やっぱり5,000円では安いからもうちょっと上げてみようと考えたとします。
⭐️じゃあ、月謝を6,000円にしようとした場合の人数は
20(万円) ÷ 6,000(円)= 33.33‥(人)
ちょっと夢が出てきました(笑)
ちなみに年間42回レッスンしたとしてのレッスン単価は1,714円になります。50人まで15人以上の枠ができますから、月収アップの余力が大きく増えますよね。
1,000円って年額に積み重ねていくと大きいんです。
だから「値上げする時もとってもとっても気を遣う」ということがわかりますし、それ故になかなか値上げを切り出せない…というのもうなづけるんですよね(汗)
でも、頭をクリアにしてまっさらな心で、こういう計算をしてみてください。
「月謝を上げるなんて無理」と思考をブロックしている状態の方も多いと思います。
今、「無理」と思う方は無理せず(笑)、頭の片隅に留めておいてください。思考のブロックが外れた時に、この計算が必要になって役に立つ時がきますので!


