個人でピアノ教室をやっていくには、「宣伝・広告」という意味でのコネクションがあるといいです。
どことのコネクションが必要かというと、まずは楽器店。
生徒さんがピアノが欲しいというときに、なじみの楽器店さんへご紹介します。そうすると、今度はその楽器店さんから生徒さんを紹介してもらえることがあります。
楽器店は楽器を売るのが仕事で、楽器店自身も音楽教室を運営していますよね。ですから、常に見込みお客さんを抱えていたいんです。
自社運営のピアノ教室もあるのに、なぜ個人の先生が介入できる余地があるのかというと、ピアノを習いたいけどピアノ教室を探せないから、楽器店で聞いてみようと足を運ぶお客さんもいます。
楽器店のピアノ教室ではなく、個人のピアノ教室を探している方も多いんですね。
そこで、楽器店にコネクションを作り、こちらの情報を伝えていると生徒さんのご紹介の連絡をいただくことがあるんです。
「うちのお客さんでピアノを習いたいっていう方がいて、先生にお願いできますでしょうか?」
と。または、最近は希望のレッスンスタイルと先生側の条件に折り合いがつかなくて、マッチングに困っている場合もあるそうです。
または、今習っている先生の指導が厳しくて、優しい先生がいたら紹介していただけないでしょうか?というご相談も楽器店には寄せられます。
いずれのケースも経験があり、入会していただいたこともあります。
どうやってコネクションを作るかというと、こちらも営業活動だと思って何度も足を運んで常連のお客さんになるのが近道です。
さきほども書いたように、生徒さんをたくさん持っているピアノの先生は、楽器店側としても見込みのお客さんを持つのと同じなので、いろいろ力になってくれます。
楽器店としては、ピアノを売ったら売ったで、売った責任としてお客さんに先生を紹介するのが人情だし、ピアノの先生を紹介してください、という問い合わせがあったら、ご紹介できる先生情報を多く持ってるほどいいんです。
そして、先生だってお客さんなんです。先生は一般のお客さんより大きい買い物をしてくれますからね^^
こんな感じで複数の楽器店とコネクションがあればどうなるか。
生徒さんを紹介してくれる窓口が増えます。
これまで何度もご紹介していただきました。もちろん生徒さんがピアノを買う時はその楽器店を紹介することが大事です。
ですから、なるべく家電量販店や、流通センター的なところのピアノ(電子ピアノ)も買わないでくださいと生徒さんには最初にお伝えします。
先生が推奨する楽器店から買った方が安心なのと、先生からの紹介ということで少しサービスしてもらえたという点で、生徒さんからの信用してもらえます。
ですから、楽器店さんには大事な生徒さんをご紹介するので価格などお勉強してもらうようにお願います(笑
で、めでたく商談が成立したら、
「もし、どなたかいらっしゃったら生徒さんをご紹介お願いします!」
と言います。これの繰り返しで、生徒さんを紹介してもらえるルートができますね。
名刺があるといいんですが、コネクションを作りたい楽器店には
自分の名前、住所、電話番号、稼働曜日、月謝、レッスン回数、出張レッスンありなしなど
を伝えておくことがマスト。
フェアやチラシのなどのお知らせを送付してるようになれば、講師名簿のデータベースに載ったということですからそれを目安にしておくといいと思います。
ちょっと悔しい話なんですけど、生徒さんが大勢いる先生は重宝がられます。
ピアノが売れるから(笑
生徒さんが少ないときは、それはそれでチャンスなんですよ。
始まったばかりの教室を○十人までにしましょう!
っていう営業マンの本能を駆り立てるような部分でもあるからです^^
未開拓のところを開拓していくところに達成感を覚えますよね。そしてそこで生徒さんが増えれば、楽器の売り上げは自分の独占状態となりますし。
もちろん、先生が何にもしなくていいわけはありません。
私の場合、ピアノ教室を始めた頃、担当の営業マンが変わると、「生徒さん紹介してください」と常に言っていました。スタートしたばかりだからこそ、ぐいぐい行けます(笑)
こういうチラシを作ったとか、こういうレッスンをするのにこの機材を買ったとか(もちろんその楽器店で)ということは、しっかりアピールしていました(笑
そしたら、先生を探しているピアノ教室のひと曜日のお仕事を紹介していただきました。その曜日が6、7人くらいの生徒さんがいたので、当時はすごくありがたかったです。
ですから、定期的に自分を売り込みましょう。
「生徒募集のチラシをこんな風に作りたいんですけど、いいアイディアありますか?」
「オンラインレッスンの機材のご相談をしたいんですけどお時間ありますか?」
と関係をつなげていきます。
アドバイスや協力してもらいたいなら、こちらからもどんなことを考えているか、持っているアイディアなどをどんどん言っていくこと。
自分の教室を育てていこうとする気持ちが伝わると、力になろうと思うのが人情です。
「やる気」があることを常に伝えおくことが大切です。
自分の教室です。どれだけ賭けてるか自分ではわかっていても言わないと伝わりません。
自分の教室のビジョンをしっかり伝えることができたら、
「この先生、すごくやる気がある先生だな。よし力になろう」
と思ってもらえます。
あんまり自分を売り込むのが得意じゃない、むしろ苦手だという方、それでは生徒さんのお母さんともうまくコミュニケーションとれません。
仕事なんだからと割り切ってみましょう。楽器店に行く時も、「仕事で行くんだ」って思って行ってみてください。
とにかく、別に名前がある先生じゃなくても気後れする必要は全然なし!遠慮せずに頼りましょう。
そして、生徒さんを紹介していただりしてもらったら、その楽器店で何かをちゃんと購入する。何かでお世話になったら差し入れの1つもしてみる。
win-winの良い関係、持ちつ持たれつの義理人情の人間関係もとても大事ですから、上手にコネクションを作りましょう。
調律師さんからの生徒さんの紹介も実は多いです。
仕事柄、実際にピアノを習っている、またはピアノがあるお宅に調律に行っているので、どなたか先生いらっしゃいませんか?と聞かれるそうです。
調律師さんにも楽器店さんと同じように、自分の教室はこうしていきたい、今私はこういう勉強をしているということまでお話しておくと、生徒さんに紹介する時にも詳しく話してくれるんですよ。
「この先生は、○○がすごく得意な先生です」
とか
「生徒さんがたくさんいらっしゃる先生で、人気です」
とか。
「グランドピアノでレッスンされてて、いいピアノをお持ちの先生です」
なんていうセールストークは調律師さんならではです。
調律師さんとの何げない会話もけっこう大事なので、年に1回か2回しか会わない人ですが、そう考えるとかなり効率のいい生徒獲得の機会かなと思います。
別経由で入会した生徒さんで調律師さんをまだ決めていない生徒さんに、自分の調律師さんを紹介します。
こちらももちつもたれつです。
楽器店でピアノを購入されるケースと抱き合わせで、ピアノを購入された生徒さんに自分の調律師さんを紹介することもできます。
そいういうときは、必ず楽器店さんにお伺いを立ててください。もし別の調律師さんが決まっていたら諦める。
とにかく自分のことを知っている関係者と情報を共有できるように考えておくこともすごく大事なんですよ。
私は、調律師さんからもだいぶ生徒さんを紹介していただきました。
今度は、ピアノの先生の横のつながりを持つ目的でのコネクションのお話です。
ピアノの先生は、孤独になりがちです。特に個人で教室を開いている先生にとってはなおさらです。
自分から足を運んで情報を得たりしない限り、外部との関係も寸断されてしまうと言ってもいいでしょう。
同僚と呼べる仲間も作ることができません。
でもせめて、同じ仕事をしている仲間と知り合って、悩みやレッスンの情報交換などの交流ができたら…と思います。
横のつながりを作りにくいので、いろんなサークルやお勉強会に参加してみましょう。
勉強会は、自分が使っている教材の指導法に共感を持っている先生同士で集まって、より発展的な指導法を勉強する場だったり、お互いを高め合う場だったり、得るものが大きいです。
有名どころな研究会ではなくても、例えば地元の音楽家の先生による勉強会もけっこうあります。そういうところに入って仲間を作るのもいいですね。
勉強会というよりも、先生同士でサークルを作って活動という方法もあります。
ネットを見ていると、先生が「弾く」というピアニストの立場になってステージで弾く経験を自ら作ろうというサークルもあります。
今ブログをされている先生もたくさんいらっしゃるので、ブログがきっかけで実際に会ってお友達になったりっていうのも多いですよね。
そうやって私たちはいつも「何かを求めるために」「何をしよう」と考えて、「動く」ということがとても大事です。
長い講師生活にはいろいろなことがあります。家族には理解されない苦悩も同業の仲間ならわかりあえる、ということも多いですから^^


